『異邦人』アルベール・カミュ

新型コロナウイルスで世界中が大変な時だからこそ『ペスト』を読もう!と思い、世界文学全集からカミュを選んだ。
実際、『ペスト』を読む人が増え、本が売れていると少し前の新聞にあった。

本を開くと、まず『異邦人』からだった。
飛ばすつもりが、有名な書き出し「今日、ママンが死んだ」についつい引きずられ、そのまま読み進めていた。

主人公ほど突き抜けてはいないけど、自分の気持ちに正直でいると非難されるという空気感はすごく良くわかる。
悲しいフリや嬉しいフリ、解ったフリ、好きなフリ…
その場に応じて、こうあるべきだという感情が決められている感じ。
意外と安易にその役を演じる自分がいる。
そして、そのことが気にならない時もあれば、無性にしんどい時もある。

そして、自分のことを自分抜きに語られること。
また、全て行動が意志を持っていないといけないのか…など。
いろんなことが心にしっくりきすぎて、ズーンときた。

不条理小説と言われるらしいけど、どこが不条理なんだ!
世の中そもそも不条理じゃないか。
単に世間を描写しただけってことかも。